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北村薫

久しぶりに,小説を読みました.
新潮文庫の100冊に選ばれていて,
前々から少し気になっていた小説だったのですが,
好きな劇団の演劇集団キャラメルボックスでお芝居になるということもあり,
思い切って読んでみました.

読了感は非常にさわやか.
この1冊の本の中に,とてもきれいな言葉がたくさんあって,
その言葉が作る世界というのがとても透明感あふれるものでした.

僕自身は,人間としてまだまだです.
でも,この小説の主人公は,本当に人間ができていると思いました.
人間の幅がとても広い.
そして最近は余り見かけなくなった「純粋性」というもの.
自分があまりに汚れてしまい,うすらぼんやり日常を過ごしていることを
思い知らされる部分もありました.

だからといって,この小説は冷たくなんかありません.
ものすごく暖かく世界を包んでいるような気がします.
その世界に僕は救われました.
自分の心の中に,久しぶりに「向上心」という言葉が出てきました.

小説の結末は切ないです.
でも,それを受け入れてこそ,この主人公が生きているのだと思いました.
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